JSAソムリエ・ワインエキスパートに合格するのはそう簡単なものではありません。
いきなり現実をつきつけてしまいましたが、これはまぎれもなく事実です。
しかしどんな難関資格であれ、勉強の仕方を工夫すれば、グンと合格へ近づく、ということも事実。
私もワインエキスパート、ソムリエ、シニアソムリエと合計3回のJSA試験をクリアしてきた経験があります。 はじめは地道にテキストをソラで読んだり、ひとつひとつ時間をかけて勉強していましたが、ソムリエ・ワインエキスパートの試験は範囲が広く非常に時間と手間がかかり苦労しました。
今回は私が経験したソムリエ・ワインエキスパート試験を受けるなかで重要なことのひとつであるテキスト選びについて使用した3冊の本について紹介してまいりたいと思います。
テキストは一次試験(筆記・テイスティング試験)で役立つ
一次試験は第一関門であり合格後もその知識を活かすことができる、非常に重要な試験です。
筆記試験は最初のハードルで、世界中のワインの生産地や畑名、地名、ワイン名、有名な生産者や格付けなど覚えるべきことのあまりの多さから「ああ、もう自分には無理だ」、と挫折してしまう人も実際に多い試験です。
しかし個人的見解ですが筆記試験は4肢もしくは5肢択一式ですので、語呂合わせや音の響きなどでうろ覚えであってもある程度覚えておけば正解を導き出すのはそう難しくありません。
逆に言えばテキストに書いてあることをすべて読みこんでソラで覚えてしまっている人というのはごくわずかだと思います。
テイスティング試験はある程度選ぶ項目は決まっているので、過去五年間くらいの解答データを参考にしていき選択すれば合格率はグッとあがります。テキストにはブラインドテイスティング用のページがありますので、それを参考に勉強していきます。
ワインの勉強テキストおすすめ3選
私が今までワインの勉強をしてきた中で使用したテキストは大きく分けて3冊あります。毎年のように更新されますので、3冊とも買っていました。
しかしどの資格にも言えることですが、どれか1つに絞って1冊を繰り返し読み込んだ方が絶対に身につきますので、この中から参考にしていただいて、自分に合いそうなものを1つ選んで使い込んだ方がよいと思います。 これらの本は合格後もブラッシュアップや思い出すときに必ず使用することになりますので、多少高くても買う価値は十分すぎるくらいあります。
1位:田辺由美のワインブック
私が繰り返しおすすめしているワインのNO.1テキストです。
デメリット
テキストが薄いために物足りなく感じる
テキストはJSAソムリエ・ワインエキスパート試験の試験に必要最低限のことのみを凝縮してまとめられているために、このテキストのみでは不安だ、という声も聞かれます。
しかし逆に考えればこれは最大のメリットであるとも言えます。JSAソムリエ・ワインエキスパート試験を受験するのであれば必然的に日本ソムリエ協会のソムリエ教本を手に入れるのですが、この本は非常に分厚く、正直試験に出ないようなことまで詳しく書かれすぎているために、受験生のほとんどが他に試験用にまとめられた市販のテキストを買っている、という事実があります。
そういった中でこの田辺由美ワインブックが一番よく簡潔にまとめられた非常に優秀なテキストであることがわかると思います。
メリット
非常にうまく要点のみをギュッとまとめてページ数も他のテキストに比べて少ない
上記デメリットと同じ意味でありますが、繰り返し言えることで一番重要なことである、と言えます。私は一番最初に買ったこの本を真っ二つに破れてしまうまで音読などをして繰り返し読み込みました。本屋さんで他のテキストと比べてみてください。いかに余分なことが書かれていないか、ということは一目瞭然です。
余白部分も多く他に覚えるべきことなどをメモできる
上記意見と連動する話ですが、より簡潔にまとめられているために余白部分も多くあります。
私は自分の知識が多くなってきたときにこのテキストに足りない部分、書き足したい部分を直接テキストの余白部分に絵や図なども書き込みました。 そうやって世界に一つだけしかない、自分のテキストにすることができるのです。
地図がどのテキストよりもわかりやすい
このテキストのもうひとつの最大のメリットは地図が非常にわかりやすい、ということです。
JSAソムリエ・ワインエキスパート試験において地図の空白部分の地名を答えよ、などという問題は多くありますので、地図の分かりやすさ、というのはテキストを選ぶうえで重要な要素になります。
私はこの本で合格しました!
私がこの本を一番におすすめする理由はまさにここにあります。
この本を使って語呂合わせや音の響き(例えばメドック1級のそれぞれ頭文字だけを合わせて読むなど)を作って暗記して、合格にたどり着けました。
詳しくはその語呂合わせや音の響きを一部掲載しているnoteをご覧ください。↓
アウトプットに問題集もあります
問題を多く解く、ということも非常に重要です。私は最初全然何も知らなかったときは、答えを余白部分に書いてしまって何度も何度も読み込みました。そして覚えてから答えを隠して何度も覚え、テキストに書いていないことはテキストの余白部分に書き込みしていきました。
2位:日本ソムリエ協会公式教本
試験に受けるために日本ソムリエ協会に入会した際に必ず入手することになるのがこの教本です。
かなり分厚く最初はこのボリュームに面食らってしまうかもしれません。
デメリット
あまりのボリュームで挫折しやすい
細かいところまで詳しく書かれすぎています。この本は合格が最終目標ではなく、合格後も使用し続けるための本とも言えると思います。 ですのでひとまずの合格、という目標で使うにはあまりにもボリュームがありすぎ、また持ち運びをするにも適さず扱いにくい、といった難点があります。
メリット
公式テキストであるので、試験はこの中から出る
筆記試験の前に講習会があるのですが、このテキストの持ち込みが必須になり、今回の試験はこの中から出ますよ、ということがある程度提示されます。
最終的にはその中から範囲を絞って勉強の追い込みをかけるわけですから、試験を受けるには結局このテキストを使うことになりますので、本当にひとつのテキストのみを使いたい、というのであればもちろんこの本のみをする、ということが本当の正攻法である、ということが言えるでしょう。
公式テキストでのみ学習できる分野がある
試験はまさに公式テキストから出ますので、はっきり言ってしまえば他のテキストよりこれのみをやった方が良い、という考え方もあります。しかし前述したように公式テキストは非常に分厚く、合格してから読むような研究用の資料まで載っていますので、やはり試験合格のみに特化したテキストを別に手に入れた方が良い、という結論になります。
一方で公式テキストで勉強した方が良い分野があります。
とくに料理は完全に暗記する必要がある項目と言えます。
児島速人ワインの教本
私はJSAシニアソムリエ試験を合格して以降、さらに知識を増やすために英国版ワイン資格であるWSETや、米国版ワイン資格であるCSW・CWE試験を受ける目的でこのテキストも購入して勉強をしたことがあります。
この本の冒頭には上記の資格試験の紹介とその年の試験内容など詳しく書かれているので、実際日本ソムリエ協会試験というよりもWSETなど英語のワイン資格試験むけ教材であることがわかります。
ただこちらの本も非常に有益でワイン用語の英語の記載があったり、「グルマン・日本のベストワイン教本」に毎年選ばれるなど世界的にも認められた優秀な本です。
デメリット
内容が複雑であり初心者にはわかりにくい
個人的見解ではありますが、ワインのことを何も知らない初心者が最初に手に取るべきテキストではない、と思います。
分かりやすさでいうとダントツで田辺由美ワインブックです。
この本のみでワイン英語すべてカバーしているわけではない
米国CSW試験などは難易度的には日本ソムリエ協会ソムリエ・ワインエキスパートと同等、と言われていますが、CSW試験であっても全問英語であり、かろうじて択一問題であるため難易度が落ちる、というだけで、児島速人ワイン教本一冊があれば独学で受かる、といったものではない、ということが言えると思います。とくにWSET試験などは専門のワインスクールでしか受験ができませんし、ワインスクールでの受講が受験の前提条件であったりするのです。
メリット
上記のようなデメリットがるとは言え、ワインの英語資格を勉強する上で市販で出版されている本は非常に少なく、貴重な存在です。
この本も問題集がありアウトプット演習が可能
私はテキストよりも先にこの問題集をやってから、この問題集が個人的には非常に気に入っていて、セットで手に入れてはじめてテキストが活きてくると思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回はJSA認定ソムリエ・ワインエキスパート試験の合格に最適なテキスト3選
の3冊を取り上げてみました。
もちろん他にも優れたテキストは存在しますし、あなたに合ったテキストを選んで勉強すれば良いと思います。
またワインのテキストは合格後も度々見返すことが多いために、少々値段がはっても手に入れて損はないので、この機会にぜひ購入を考えてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました!!
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